iPhoneをPCに接続して、撮影した写真を管理しようとしている時に誤ってごみ箱にドラッグ&ドロップしてしまうと、「いいえ」を選択しても完全に削除されてしまい困った経験は無いだろうか。

筆者もツーリング先で撮影した写真がごっそり完全に削除されて丸一日色んな情報を集めながら試行錯誤した経験がある。

結論から言うと、iTunesやiCloud等のバックアップを作成していない場合はネット上でダウンロード可能な復活ソフトを使っても復活はしなかった。どんなソフトを使おうが削除されたデータは一切見つからない。iOSからの復元を試しても何をしても無駄だったのだ。

今回はそんな筆者の経験を公開することで、諦めきれない気持ちに踏ん切りをつけて頂く他に、あるいは他にこんな方法があるよ、という情報提供をして頂くこともサブ目的としてこの記事を更新することにした。

PCからiPhoneの写真を誤ってごみ箱に移動すると削除キャンセルは不可能という仕様

今回、筆者がした行為はiPhoneをPCに接続し、iPhoneのDCIMフォルダから撮影した写真をデスクトップに持ってこようとして、誤ってごみ箱の上に落としてしまったのだ。

そうすると「これらの項目をごみ箱に移動すると完全に削除されます。続行しますか?」という確認のポップアップが表示される。

こんな感じ。いらない写真で再検証してみた。

後で検証したことだが、この時点でもう完全削除は不可避だ。「いいえ」を選ぼうが「はい」を選択しようがどちらにしろ完全に削除される。

かといってウィンドウを閉じるための×ボタンも表示されないという極悪仕様だ。

このページに到達した諸君であれば同様の経験をしたことだろう。もう失った写真は戻ってこない。過去は振り返らずに明日からまた新たな写真を撮りに行けば良いのさ。きっとこういう苦い思い出は写真なんか無くても心の中でいつまでも色褪せないはずだ。

復元ソフトをダウンロードするも無いものは無い

ここで筆者が試しにダウンロードしたソフトを紹介しよう。もし諸君らがこれらのソフトで失った写真を復元できたのならこの記事を書いた意味もあるというもの。ただ過度な期待はしないで欲しい。またこれらのソフトはスキャンは無料で可能だが復元するには5,000円~6,000円程のアカウント購入が必要な有料ソフトとなっているので注意されたし。

iPhone・iPad・iPodのデータも完全復元できるdr.fone for iOS(Windows版)

ダウンロードサイト
https://www.wondershare.jp/win/iphone-data-recovery.html

データのバックアップを取っていなくてもiPhone・iPad・iPodから直接復元が出来るということなのでインストールしてスキャンしてみた。

このソフト以外もそうなのだがiOSをスキャンする際には、iPhoneの設定によって暗号化パスワードを入力する場合があるので、もし忘れてしまった場合はAppleの公式サイトで案内されているようにパスワードをリセットする必要がある。以下のサイトを参考にしてほしい。

https://support.apple.com/ja-jp/HT205220
暗号化したバックアップのパスワードを思い出せない場合を参考に

スキャンした結果は、iPhone本体に残っている画像ばかりが表示されていて、どこを探しても消えた写真データは見つからなかった。

様々な原因で失われたデータを復元するiskysoft toolbox for ios

ダウンロードサイト
https://www.iskysoft.jp/ios-recovery-tools.html

盗難、ロック、パスコード忘れ、工場出荷時のリセット、誤った削除、iOSシステムのクラッシュ、水没などの様々な理由で失われたデータを復元できるということなので、筆者のようなパターンでもきっと復元してくれるだろうと思っていたが、その期待は儚くも裏切られることとなった。

結果としては上で紹介しているdr.fone for iOSと同じような結果が出ただけだ。現存の写真がプレビュー表示されているだけで、完全削除されてしまった画像は一枚も見つかることはなかった。

iTunesやiCloudのバックアップからもなくなったファイルを回復できるApowerRescue

ダウンロードサイト
https://www.apowersoft.jp/apowerrescue-released.html

筆者はもともとiTunesやiCloudにバックアップを取っていなかったのでそこまで期待はしていなかったのだが、iOSデバイスからデータを復元することも出来るとのことなのでインストールしてみた。

しかし結果はやはり見つからず。削除された画像は0であり、一枚たりとも復活することは無かった。

この時点から諦めの気持ちが出始めており、そもそもiPhoneではあんまり写真を撮らなかった気がする、とも思ったのだが、よくよく考えたらやっぱり200枚ぐらいがっつり消えている。悔しい…!悔しいです!!

iOSからの復活ができないならPCから復活させるWondershare Recoverit

ダウンロードサイト
https://recoverit.wondershare.jp/

そもそも考え方を変えてみよう。iOSから復活が出来ないのならPCから復活させれば良いではないか。筆者はPC操作を誤って画像の完全削除をしてしまったのだから、何かしらのデータがPC内に残っているはずだ。そんな淡い期待を込めてインストール後にスキャンしてみた。

見つかったファイルは0。そもそも何も見つからない。なんだこのソフト。ごみ箱から完全削除したデータをスキャンしてみても0だ。いやいや、画像以外にも過去に削除したファイルとかぐらい見つかれよ。一体、何をスキャンしたんだコイツは。

一縷の望みをかけてインストールしたiMyFone D-Back

ダウンロードサイト
https://jp.imyfone.com/iphone-data-recovery/

もう諦めよう。消えた200枚の写真は俺の心の中にあるはずだ。一枚一枚を事細かに思い出すことは出来ないけれど、あの場所に行ったんだということを決して忘れなければ良いんだ。そう思いながらも「最新技術に基づきデータ回復の最大限の可能性」という怪しい宣伝文句に飛びついてダウンロードした。

スキャン結果は他のソフト同様に完全削除されたデータは何一つ見つからなかった。

もう終わりだ。もう、ここまでやって何も見つからないんだったら本当に完全に削除されてしまったんだ。気が付いたら昼から始めた復旧作業が夕方を過ぎていた。失った写真は取り戻すことが出来ないように、失った時間も二度と取り戻すことは出来ない。

これ以上、過去に縛られて未来を見ずにいるよりも、これからまた新たな経験と写真を手に入れる旅に出れば良いじゃないか。我々の未来はきっと明るいはずだ。

復元ソフトのダウンロード&インストールはくれぐれも自己責任で

ここで紹介したソフトは必ずしも安全だとは限らない。出来る限り情報収集をして安全確認してからダウンロードしたつもりだが、写真が完全に削除されてしまったことで焦っていたし、本当に藁にも縋る思いでインストールしたソフトもある。

このページを訪れた諸君なら、きっとここで紹介したソフト以外にも数多くの復元ソフトを目にしてきたことだろう。それらはインストールするもしないも君次第だが、使用する際にはそれを理由に別のデータを抜かれることも覚悟した上で使わなければならない。

たとえば、iPhoneやiCloudに登録しているパスワードやクレジットカードの情報、連絡先リストやその他の画像データ等が抜かれて悪用されることになったとしても、決しておかしくはないのだ。もしそんなことになったら私の未来はお先真っ暗である。

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